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この辞典の使い方(ホーム)「あ」で始まる言葉>あくどいの意味、語源

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あくどい

あくどい

 あくどいとは、しつこい、どぎつい、くせが強いなどの意味だが、実際は「あくどい商売(どんな商売かは説明不要かと思われる)」のように、たちが悪い、やり方が汚いという使い方をされている場合が多い。というのは、「あくどい」の「あく」は、誰もが(誰もがというほど、誰もがでもないかもしれないが)「悪人」「悪魔」の「悪(あく)」だと思っているせいで、本来の意味からいえば、この「あく」は、しつこい、くせが強いという意味の「灰汁(あく)が強い」の「あく」と考えられる。「灰汁」は、植物の灰を水に浸したときの上澄み液を言い、衣類の脱色などに用いられた。「あく」を食品のにがみやえぐみ、さらには人の性格の意味で使うようになったのは近世以降とみられるので、あまり悪者の感じはしない「灰汁」の「あく」が、漢字の「悪」を音読みした「あく」から来ているとは考えにくい。しかし一方で『大言海』は、「あくどい」は、しつこいという意味の「くどい」に接頭語の「あ」を付けた言葉だとしており、そうだとすると「悪」なのか「灰汁」なのかと考えるだけムダになる。「くどい」は、しつこさを表す「くどくど」や「くだをまく」の「くど」「くだ」と関係があり、「灰汁」とは無関係。「くどい」は、確かに意味の上では「あくどい」と類似性が高いが、接頭語の「あ」の意味がよくわからない(まさか、「あっ!くどい」じゃないだろう)。つまり、「あくどい」の語源を「灰汁」とした場合と、「くどい」にもとめた場合では、語の構成からして変わり、次元のまったく違う問題になってしまうのである。「あくどい」という言い方は江戸時代ころから使われているようなので、ここで私見を述べさせていただくと、しつこいという意味で使われていた「くどい」に、食品のえぐみをいう「灰汁」を誰かが(そりゃあ、どんな言葉だって「誰かが」言い始めたに違いないが)組み合わせて使い始めた合成語ではないかということだ。(VP KAGAMI)

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