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かれこれ

かれこれ

 かれこれ(彼此)とは、いろいろなものをまとめて示す副詞で、「かれこれ文句を言う」などと使うように、意味としては「あれこれ」と同じ。しかし、「あれこれ」が「あれ」と「これ」、「あれ」や「これ」という、対象を指示する意味から離れなかったのに対して、「かれこれ」は、「かれ」も「これ」という「いろいろなものごとをまとめて」というところにフォーカスし、「わが軍はかれこれ四万騎」(ほんとは四百騎では。ふかしすぎだよ)「かれこれ一時間たつ」(彼女はもう来ないよ)のように、全部で、ひっくるめて、おおざっぱに、だいたい、およそという使われ方が多くなった。 「かれ」の「か(彼)」は、「これ」に対する「かれ」、「この」に対する「かの」、「こなた」に対する「かなた」のように、現在の「あれ」の「あ」と同じ働きの遠称の指示代名詞として使われていて、出現は「か」「かれ」のほうが古い。現在も「かれ」「かの」「かなた」は、「あれ」「あの」「あなた」とともに使われているが、「かれ(彼)」が主に三人称の代名詞であるように、両者の意味やニュアンス、使い方が異なっている。

​(VP KAGAMI)

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