top of page

じゃかしい、じゃかあしい

じゃかしい、じゃかあしい

 じゃかしい、じゃかあしいなどは、やかましいという意味の方言。西日本で多く使われる。騒がしい連中を叱る言葉は、標準語では「うるさい!」「やかましい!」「静かにしろ!」あたりだが、「う」「や」「し」という出だしの語は迫力に欠ける。これを改善(?)したのが「じゃかしい」「じゃかあしい」と見られ、コワモテのおっさんに「じゃかあしいわい」などと怒鳴られると、みんな青ざめて静かになる。「やかましい」が「じゃかましい」「じゃかあしい」と変化したものと考えられるが、「や」が「じゃ」に置き換わった理由はよくわからない。方言は方言だが、比較的新しい言葉のようで、方言辞典などにもほとんど掲載されていない。ということで私見によると、楽器をうるさくかき鳴らす音感を「じゃかじゃか」と表現し、物理学者にして夏目漱石の弟子・寺田寅彦もジャズのうるささを「じゃかじゃか」と言い表しているが(「じゃかじゃか」は、シジミを洗うときなど、小さく硬い物がぶつかりあう音を言い表している。楽器をかき鳴らす音を言うようになったのは「ジャズ」の「ジャ」と関係ありそうだが、ここでは追求しない)、この「じゃか」と「やかましい」の「やか」が結びついたのではないかと思う。英語のJacob(ジェイコブ)はもとのヘブライ語では「ヤコブ」であり、JとYは親和性があるようだが、だからといって、日本人とユダヤ人の祖先が同じだなどという説に乗っかったりはしませんのでご安心ください。(VP KAGAMI)

関連用語

bottom of page