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つっけんどん、突っ慳貪

つっけんどん

 つっけんどん(突っ慳貪)とは、無愛想なさま、無礼なさまをいう。「食事代タダにしてと言ったら、つっけんどんに断られた」(あたりまえだろ)のように使われる。

「つっ」は「突き」が変化した語で、「つっ返す」「つっぱねる」「つっこむ」のように、腕や言葉などを前に強く押し出す動作を強調するさいに多く用いる。「慳貪(けんどん)」の「慳」はケチであること、「貪」はむさぼること。「慳貪」は仏教用語で、ケチで欲が深いさまをいい、『法華経 方便品』には「慳貪や嫉妬が諸悪の根源である」といった教えがある。そこから日本では、無慈悲で冷淡、無愛想な性格についてもいうようになったほか、江戸時代にはけんどん蕎麦、けんどん女郎のように、安物(コスパのいいものと言いかえてもよいかも)をいう語として用いられた(けんどん蕎麦については語源は諸説あります)。というわけで、「けんどん(慳貪)」そのものに無愛想、無礼という意味があるが、「つっ」という接頭語が付くことで、言葉や態度などを前に出す、つまり相手に示すという意味合いが強くなる。(VP KAGAMI)

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