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どろどろ
どろどろ
どろどろとは、泥状の物質の形容で、「どろどろのソース」「どろどろに溶けた鉄」などと用いる。いずれの例にも共通しているようにこの「どろどろ」は、その物質全体が泥状になっていることが条件と考えられ、怪談話で毒薬を呑まされた被害者の顔が部分的に崩れたような場合は「どろりと溶けた」程度の表現にとどまるだろう。江戸初期の『日葡辞書』には、dororito(ドロリト)の説明として「蠟などものが溶けるさま」とある。
また「どろどろ」は、三角関係やさまざまなハラスメントの状況で、その登場人物がいずれも性格の悪いヤツらである場合を「どろどろの人間関係」などと言い表し、以前の「昼メロ(いまはなんと言うのでしょうか? 韓ドラか? 違うか…)」の得意科目であった。この状況の「どろどろ」は感触としてわからないでもない(少なくとも「さらさら」や「かちんこちん」ではないだろう)。
「どろどろ」は中世以降に登場する比較的新しい語で、語源はおそらく「泥(どろ)」。「泥」の語源は、固体が液状になるという意味の「とろける」の「とろ」あたりで、「溶ける」が変化した語。氷などがすんなり水になるのが「溶ける」だとすれば、アイスクリーム(昔はなかっただろうが)が液状になるときのやや粘り気のある状態が「とろける」で言い表されているような気がする。「とろ」にくらべて、濁って汚れた感じを表したのが「どろ」であり、人間関係の「どろどろ」も「泥まみれ」「顔に泥を塗る」の「泥」そのもののイメージが重なった表現だと言えるだろう。
(VP KAGAMI)