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浪花節的

なにわぶしてき

 浪花節的の「浪花節(なにわぶし)」は、江戸末期に大坂に起こった大衆芸能で、現代では「浪曲」と呼ばれる。義理人情をテーマとした演目が多いことから、「浪花節的」は、庶民の同情や共感を誘うような話題などの形容に使われる。肯定的に用いられることはあまりなく、高齢の政治家が正義や正当性より人間関係を重視しているような発言をすると(清濁併せ呑むってやつだ)、「浪花節的」というレッテルを貼られる。浪曲には、博奕打ちや盗賊を主人公にした演目が多く、やっていることはワルだが人として尊敬できるという複雑なキャラ(このように説明すると「複雑」だが、実際はそれほど込み入った話ではない。あちらさんだっていくらもいるじゃないか。ゴッドファーザーとか)に人気が集まる。このような浪花節の世界を現代に投影したのが「浪花節的」といえるが、やっていることはそれほどワルでもないし、尊敬できるわけでもない、中途半端に矮小化されたキャラとなっていることから、ばかにしたようなニュアンスの言葉として使用されているとみられる。

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