ふかす、吹かす［俗語］

ふかす

　ふかす（吹かす）は、タバコを深く吸引せずに吸う、または車のエンジンを強く回転させるという意味で使われるが、俗語的な使い方として、誇張して言い表すという意味で「統計をふかして発表する」などと用いられている。海外からの投資が逃げるのを防ぐために、国家が統計をふかして発表することがあるが、まともな投資家はそんなことは御見通しで、さっさと資金を引き上げる。一方悪賢い投資家なら、他のしろうとを煽って株価をつり上げさせ、上がりきったところで売り抜いて儲ける。

　この「ふかす」は、エンジンの空ぶかしが俗語化したような印象があるが、実はもともと、誇張して話す、口から出まかせを言う、という意味で江戸時代初期に使われていた。これはおそらく、「ホラを吹く」の「吹く」の使役形「吹かせる」が変化した語か、「やる」を「やらかす」と俗語的に変化させる接尾語「かす」がついた「吹かかす」が略された形ではないかと思われる。

​（VP KAGAMI）