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サクラ、桜[俗語]

さくら

 サクラ(桜)とは、おとりの客をいう俗語。その昔、大道の物売りの商品をある客が手に取って、「この薬、よく効くからいつも使ってるんだ。しかも、こんな値段じゃぜったい買えないぜ。三つばかりもらっとこう」などと喧伝し、回りの見物客の購買意欲を刺激したやらせ行為において、その主役となった「ある客」がサクラ……というと、みなさんの頭の中には、SNSである商品を手に取って、CMでもないのに「これはすごい」とさかんにほめている有名人の姿がイメージされると思うが、その理解はズバリ正しい。つまり、広告業界で「パブリシティ」と呼ばれる、新聞などの記事広告、つまり新聞が記事として掲載する商品の情報において、さりげなく商品をPRしている人の役割がそれ。そう考えると、ステマ広告全盛の昨今は、サクラは満開の花盛りである。

 「サクラ」は、そのむかし役者をほめさせるために無料で招待した芝居の客を言った業界用語から来ているらしいが、その客をなぜ「さくら(桜)」と呼んだのかは不明。無料客でも呼ばないとがらがらで寒々しい客席を賑やかにさせるといった意味ではないかと思われる。

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