top of page
関連用語
ペテン師
ぺてんし
ペテン師とは、詐欺師、いかさま師のこと。つまり、暴力を使わず(または、使うことをにおわせず)、言葉や演出により人をだます者のことをいう。いわば、犯罪業界のホワイトカラー。往年の俳優ロバート・ヴォーンが登場するイギリスの犯罪ドラマ『華麗なるペテン師たち』は、原題は“hustle”。hustleはハッスルする、急いで仕事をするという意味だが、俗語的に詐欺、ペテンにかけるという意味があるらしく、『望郷(原題“Pépé le Moko”)』だの『旅情(原題“Summertime”)』だのという洋画の邦題よりはまともな邦訳といえそうだ(もっとも『ペペルモコ』では、『サボテンブラザーズ(原題は“Three Amigos!”)』みたいな映画かと勘違いしそうで、観に行く客は減るだろうが)。
ペテンは、中国語で詐欺を意味するらしい「●(弓扁に幷)子(bengzi)」が日本でなまったものだという説を『大言海』はとなえているが、この「●」で表している字は、パソコンに入っておらず、現代中国語にもなさそうで、ようやく漢和辞典で弓を弦に張る、はじくという意味だと出てくる。さらにbengz(ペンツーみたいな発音)がどうなまればペテンになるのかもよくわからない。現代の中国語の辞書を調べると、「騙子(pianzu:ピアンツーみたいな発音)」または「騙子手(pianzushou:ピアンツーシャオ)」という言葉が詐欺師を意味するが、こちらのほうがペテンまたはペテン師になまるのに自然な感じがする。
ところで、ペテン師にせよ、詐欺師にせよ、「師」という尊称がついているのは、やはり裏家業でもホワイトカラーはワンランク上に見られているのかもしれない。(VP KAGAMI)
bottom of page