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この辞典の使い方(ホーム)「ひ」で始まる言葉>人は人我は我、人は人の意味、語源、使い方

カテゴリー:ことわざ、故事成語、名言、名句

カテゴリー:日本論・国民性・習慣・礼儀

人は人我は我、人は人

ひとはひとわれはわれ、ひとはひと

 人は人我は我とは、他人がどうあろうと自分の立場を貫き、自分のやり方を変えないという意味。「人は人」だけでも通じ、「人は人、自分の道を進め」などと他人にそそのかされて(それは「人は人」ではないのでは?)自分のやり方を押し通すが、それで失敗すると「自己責任」とかなんとか言われてバカ扱いされるのが世の常である。

 ここで「人」は「他人」の意味。「人は人我は我」は、他人=他人、私=私と言っているだけで、0=0、1=1と同様、意味のない発言である。例えば「その時はその時」という言葉は「(問題が起こった)その時=その時(対策を考えればよい)」のように、違う意味の略された言葉を結びつけたものだが、「人は人」も、「他人=(私ではない)他人」のようなニュアンスを含み、要するに他人と私は違うということを強調した言い方になっているものと考えられる。

『孟子』に「爾は爾たり、我は我たり」つまり「きみはきみであり、私は私だ」という会話が見られるが、このあたりが原典かと思われる。ただ、このような個人主義的発言は日本ではあまり歓迎されなかったようで、「人は人」という言葉も江戸時代後期からようやく使われはじめている。確かに「人は人我は我」といった表現も、ことわざとしてぎこちない感じがするのも、そういうところかもしれない。

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