小さくなるとは、威圧されたり落胆したりしたために気持ちが消極的になり萎縮するという意味。「セレブに混じって小さくなっている」などと使う。サイズが縮小するというのが本来の意味で、消極的になったために体そのものもサイズダウンしたように感じられるというのがその本意かと思われる。「小さくなる」があるくらいだから、対語として「大きくなる」がありそうだが、「萎縮する」の対語として、例えば「小物に混じって大きくなっている」とは使われない。「大きくなる」というと子どもが大人になるとか、マギー審司の耳ネタ（知らない人は各自調べておくように）を思い浮かべるくらいである。

　これは「小さくなる」「大きくなる」の「なる」が、ものごとが自然に、また他からの力を受けて、結果的に実現、成立、変化するという意味なので、「大きくなる」だと子どもが自然に成長したり、耳が勝手に拡大したりする（実際はマギー審司が大きく「し」ているのだが、彼は耳が勝手に大きくなっちゃったのだと言いたい）ことになり、小物に混じって肩で風を切って歩いている人物は「小物に混じって大きく出ている」とか「大きな顔をしている」のように、自分の意志で大きな態度を取っているという言い方をしなければならない。一方で「小さくなる」は、自分の意志に反し、他者の圧力を受けてそうなっているので、この言い方が適しているのである。

（VP KAGAMI）