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小用

しょうよう

 小用とは、ちょっとした用事という意味だが、小便、小便をすることの慣用語としても用いられる。東京在住の人が「小用で渋谷に立ち寄った」というのはありそうな話だが、「小用で京都まで」と言うと、「小用」で行くには京都は遠すぎるだろうとツッコまれそうである。ところが同じ「しょうよう」という発音で「商用(商売上の用事)」という語があり、会話では聞いている人が勝手にそちらだと判断するので、書面で提出しないかぎり、訂正する必要はない。

 小便の意味の「小用」は現代でもそこそこ使われていて、上品な表現となるが、他に「それ」を表す言い方はごまんとあるので(五万はないが)、出現頻度はさほど高くない。「小用」があるなら「大用(だいよう)」もありそうだが、そういう使い方は現代では聞かれないものの、江戸時代には「小用」とともに実際に使われていたようだ。しかし「大用」などというと、あまりにもハードワークのように感じられ(「小用」よりは確かに大変だが)、あまり使われなくなったのではと考えられる。

​(VP KAGAMI)

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