関連用語
民主主義
みんしゅしゅぎ
民主主義とは、民衆、国民が主権を持つ政治体制をいう。(正当な)選挙で選ばれた指導者が政治を行っている、という点がそれが実行されているかどうかを判断する目安となる。
西欧の政治体制、経済体制は支配する者とされる者という意識構造でなりたっている。こう考えた私は共産主義を「共産党員とその他の人々で構成されている政治体制」、資本主義を「資本家とその他の人々で構成されている経済体制」と定義したが、そこへいくと民主主義はなかなか定義が難しい。つまり「民主」をそのまま解釈すると、民衆とその他の人々(って誰?)で構成される政治体制ということになり、ほとんど意味をなさなくなる。では民主主義において「支配する者」の立場に立つのは誰かということだが、「選挙」というキーワードから考えれば、それは「多数の人々」である。したがって民主主義とは、「多数の人々とその他の少数の人々で構成される政治体制」と定義するのがいいかもしれない。そうすると「民主主義」という言い方も変更が必要で、「民数主義」が妥当である。
英語Democracyは、demotic(普通の人々)が-cracy(支配する社会)であり、民主主義はほぼその直訳。ただし古くからある中国語の「民主」は「民の主(あるじ)」という意味で、要するに君主や国家官僚を意味する。それを「民が主(あるじ)」と勝手に読みかえて、Democracyの訳語に当てたのは、江戸末期から明治初期に啓蒙思想家とした活躍した西周(にしあまね)らしい。いま、民主主義を標榜しつつ、真反対の体制を築いているいくつかの国は、この中国の古き良き定義に従っているとみたほうがよさそうで、「民が主主義」ではなく、「民の主主義」であれば、確かにあなたがたの言っていることは正しい。
Democracy(普通の人々が支配する社会)という言葉そのものがすでに露わにしているように、西欧の政治、経済体制は、支配する者とされる者という意識構造からなりたっている。そのため「民数主義」の観念にしたがって、例えば男女平等を訴える西欧の人々は、代議士の「数」を半々にせよとか、政府や企業の役職に半数以上就けろというような「正論(「民数主義」上の)」をかましてくる。しかし皮肉なことに、例えば日本の自民党の女性議員には、その種の考えに真っ向から反対している人がそこそこいて、西欧流の「支配する者とされる者」「民数主義」については、彼らの意識に根付いている構造そのものを再考する必要があるのかもしれない。
(VP KAGAMI)
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共産主義