浮かぬ顔とは、落胆した顔つき、心配事があるような顔つき。「どうした、浮かぬ顔をして。なにか俺に隠していることでもあるのか」（いろいろと隠されていそうだ）などと使う。現代の言葉遣いでは「浮かない顔」であり、「どうした、浮かない顔をして」と言うこともあるが、「浮かぬ」を使う場合が多い。たぶん「浮かぬ顔」でワンセットの連語となって通用しているからではないかと考えられる。「浮かぬ」「浮かない」は水に沈むということ。「浮かない顔」は「沈んだ顔つき」と説明すれば話は早く、筆者も最初からそう説明すればよかったと後悔している。

​​（VP KAGAMI）