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この辞典の使い方(ホーム)「は」で始まる言葉>肌で感じるの意味

カテゴリー:慣用句

カテゴリー:感覚、感情、精神状態

肌で感じる

はだでかんじる

 肌で感じるとは、直接経験するという意味。「不景気を肌で感じる今日このごろ」などと使う。しかし、直接経験するといっても、「戦争を肌で感じる」などとはあまり言わないし、「不景気を感じる」といっても、自分の経営していた会社が倒産して…などという激しい感じ方ではない。これは「肌で感じる」という表現のベースに、季節の移り変わりや気温の上下といったなまぬるい「感じ方」があるからだと思われる。したがって「不景気を肌で感じる」は、ボーナスが半分になったとか、タクシーの運転手がぼやいていたというような、気温の上下のようにたいして痛みも感じない経験(ボーナスが半分になるのはかなり痛いが)をもとに発せられる言葉であって、会社が倒産した場合は、「身をもって知る不景気」のような言い方となる。また、戦争で徴兵されたり、空爆の被害にあったようなときは、「戦争を肌で感じる」とは言わないが、近所の若者が戦死したようなときは、「戦争の残酷さを肌で感じる」と言うことはある。つまり、強い痛みや激しい苦悩はもたらさない感じ方が「肌で感じる」の正体なのである。

​(VP KAGAMI)

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