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臨機応変

りんきおうへん

 臨機応変とは、その場の状況に合わせて柔軟に態度を変えつつ対処すること。つまり、「事件は現場で起きているんだ!」と叫んでいる人の行動様式。

「臨機応変」は、中国・南北朝時代の南朝の歴史をまとめた『南史』以降、『宋史』『水滸伝』などにもそこそこ出てくる言葉だが、多くは戦場においてやはり「事件は現場で起きているんだ!」的なお怒りの感情とともに発せられている。その場その場で対応する臨機応変なやり方は、理想主義に対する現実主義の処世術だといえる。中国は理想主義と現実主義を行きつ戻りつする、あるいは同時並行する歴史を歩んできた。支配層に指示され理想主義から観念主義に陥った儒教と、現実主義で民衆に指示された道教の並立はその最たるものである。近年でも、毛沢東の理想主義にうんざりした鄧小平らが現実路線を指向したが、近年また逆方向への旋回を強めている。そこへ行くと日本人は、現実主義的指向が強い国で、明治維新などは、幕府側で最後まで抵抗した一部の人々を除いて日本人全体が「事件は現場で起きているんだ!」の精神で動いていたような気がする。

​(VP KAGAMI)

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