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関連用語
言葉、ことば
ことば
言葉(ことば)とは、なんらかの意味を持つひとまとまりの声、また、その声を文字に表したもの。言語。特に音声語について言う場合が多い。つまり、世の中の事物{「こと」や「もの」)について人間が共通認識を持つためのツール。
「言葉」の「言(こと)」は出来事の「事(こと)」に同じ。「事(こと)」は「物(もの)」と区別され、人間の行為全般、またそれによってもたらされる事項について言われた。つまり、空間的で固定的な「もの」と、時間的で可動的な「こと」が区別されていたわけだ。この「こと」のなかに、言葉も含まれていて、古くは出来事の「事(こと)」も言葉の「言(こと)」も未分化で同じ「こと」と呼ばれた。つまり人間の行為のように世界を動かす力(「世界」というほど大袈裟でなくても、少なくとも他の人間はだませたり、たらしこんだりはできる)があるのが「言(こと)」だったわけだ。しかし奈良時代以降になると、「あいつは言うことが軽いんだよ」とか「口ばっかで何もしやしない」というヤツが増えたせいか(かどうかは知らないが)、言葉の「こと」は、「ことのは(事の端)」つまり「事(こと)のはじっこのほう」と区別されるようになり、言葉の価値が低くなり、インフレーションが始まった。「葉」という漢字があてがわれ、「言の葉」などというこじゃれた意味あいに変化したのは平安時代以降で、これには初期のパワーが失われたかわりに美意識が向上した和歌の影響が大きいと考えられる。確かに「言葉」と表されるようになって、「ことば」は多様化し、見ばえはよくなったが、しょせん「葉っぱ」で、軽さはそのまま引き継がれたといえるのではないだろうか。(VP KAGAMI)
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