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記憶にございません

きおくにございません

 記憶にございませんとは、覚えていないという意味。1976年、ロッキード事件の国会証人喚問において、小佐野賢治が多くの質問に対して返した言葉として知られ、その後、類似の場で追及を手軽に逃れるコンビニエンス・ワードとして多用されている。法廷や国会の証人喚問などで、ウソの証言をすることは偽証罪として罪に問われる。犯罪に関わっていない人物は「関わっていません」と言うので、「記憶にございません」などというのは偽証に決まっているのだが、その人物のおつむの中をのぞくことはできず、都合の悪いことはすべて忘れてしまう本当の病気かもしれないので、ウソだという証拠もないわけだ(その夜祝杯をあげて、周囲の人々に記憶にないはずの自慢話をべらべらしゃべっていたら、まあ……)。頑なな態度の黙秘とは違って、聞いている人々への印象もさほど悪くはなく(「協力したいんだけど、忘れちゃいましてね~。残念だな~」みたいな……)、今後も「記憶にございません」は、悪いヤツらの切り札として子々孫々語り継がれていくに違いない。(KAGAMI & Co.)

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