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関連用語
間が抜ける
まがぬける
間が抜けるとは、調子外れである、何かが不足しているためによくない、おろかである、といった意味。「あいつの発言はいつも間が抜けている」「間が抜けた味だ」のように使う。それぞれ「間抜けだ」「間抜けな」と言い換えることができるが、「間抜け」というと、「間が抜ける」より「間抜け度」が強いような印象がある。それはおそらく「間が抜ける」が動詞句、「間抜け」が名詞・形容動詞であることに影響されているからだ。つまり「間が抜ける」がその時々の表現であるのに対して、「間抜け」はそれが常態化した言い方(間が抜けっぱなしといういこと)となる。だから「あいつは間が抜けている」は、「あいつ」がなにかやらかしたときに指摘される状況が想起され、「あいつは間抜けだ」というと、なにをやっても間抜け、永遠のおバカである「あいつ」のプロフィールが浮かんでくる。
「間が抜ける」は、もとは音楽や芸能などで、間のとり方が悪くて調子外れになることを言ったものと考えられる。日本料理において「間が抜けたお味」を代表するのは、出汁を入れ忘れた味噌汁ではないだろうか。まずそれは「うまくない」ことは確かである。かといって、吐き出したくなるようなまずい味でもない。しかし、味わってみて「何かが不足している」と誰もが感じる(日本人ならね)。これこそ間抜け中の間抜けであり、辞書の定義として「間が抜けるとは、味噌汁に出汁を入れ……みたいな」と掲載してもおかしくないと考える。
(VP KAGAMI)
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