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メロン

めろん

 メロンとは、ウリ科の一年生草本植物で、果実を食用とする。同じウリ科でも、キュウリ、カボチャ、トウガンなどはあまりうまい食べ物ではないので野菜に分類され、みずみずしくて甘いメロンは果物(しかも、果物の中でも位が高い)に属している。入院患者の見舞いに持参する高級果物として、その昔日本が貧乏だった時代はバナナが定番だったが、夜店でたたき売りされるようにころには、メロンにその座を譲った。メロンはいまでも高級果物に属し、その食べ物を前にすると庶民は緊張を覚えるが、いくらうまいメロンでも食べ頃を間違えると(つまり出荷直後のまだ青い時期に食べると)、ただの味気ないウリになってしまい、子どものころこの間違った時期のメロンをありがたがって食わせられた人は、生涯メロンに対して偏見をいだくことになる。

 英語のmelonは、ギリシャ語でウリ科のリンゴを意味するmēlonpepōnから来ているが、mēlonはリンゴ(apple)の意味なので、本当はいまのリンゴがメロンと呼ばれるべきだったかもしれないが、そんなこといまごろ言い出してもしかたないので、英語では古英語で果物、キュウリ、じゃがいもなどの一般名称であったæppelがリンゴの名称としていまに伝わっている。(KAGAMI & Co.)

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