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​和食

わしょく

 和食とは日本料理のこと。日本で独自に発展し、他国の料理と差別化できる料理のことだと言えそうだが、ラーメンとかお好み焼きみたいなものを和食と呼ぶのは抵抗があり、やはり懐石料理や精進料理など、日本を訪れる海外の人々が「日本料理は高くて食えない」と言い、われわれ日本人も高くてめったに食えない日本の料理こそが「和食」と呼ばれるにふさわしいような気がする。世界遺産に登録されているのもそんな「和食」であり、まさかとんかつやたこ焼きまで視野に入っているとは考えにくい(「ミシュラン」はしかたなくラーメン屋、焼き鳥屋、お好み焼屋、とんかつ屋、おでん屋、おにぎり屋などまで別部門を設けて──本編に入っているものさえある──掲載しているが、そりゃあ、しかたないよね、安くてもうまいんだから)。「日本料理」という呼び方もやはり高級感があり、「和食」に近い。われわれが「フランス料理」に抱くイメージはそんなものだが、一方、「中国料理」や「イタリア料理」は、場末の料理店で680円で食える酢豚定食や880円のパスタランチでさえ、なんの疑問もなく中国料理、イタリア料理と呼ばれており、「なんたら料理」と一括にまとめられても、そこに含まれる食べ物には違いがある点に注意したい。それではわれわれ日本人(日本の貧乏人)が世界に誇るラーメン、焼き餃子、とんかつ、牛丼、親子丼、焼き鳥、お好み焼き、たこ焼き、たい焼き、カツカレー、オムライス、ナポリタン、弁当、コンビニのおにぎりなどをなんと呼んだらいいのかという問題だが、せいぜい「日本食」か。ここはひとつ、もっとわかりやすく「日本で食えるうまい食べ物」とでもしたほうがいいのではなかろうか(長たらしいけど)。(KAGAMI & Co.)

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