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肉吸い、肉すい

にくすい

 肉吸いとはまた、肉を吸いつくしに来る吸血鬼とゾンビのハイブリッドかと思わせるようなえげつない名前だが(そんなん思うの、あんただけやて)、違って(当たり前ですやん)、大阪のローカルフードであり(あんまり自慢にならんけどな)、「牛肉の吸い物」の略、要するに牛肉スープである。どうやら、肉うどんからうどんを抜いてできあがった料理であるらしく(そういうこっちゃ。覚えときや)、うどんつゆと肉の組み合わせであるからうまいに決まっているが(ほんまか? ほんまや!)、いつどうやって食べるかとなると悩むところで(店にあったら頼んだらええ)、一部店舗のマイナー料理あるいは隠しメニューにとどまっている(そら、その通りや)。つまり、メインディッシュにするにはものたりなく(うどん入れとけや、っちゅう話だ)、サイドメニューにするにはぜいたく(これ付いて680円なら、お得すぎるで)なのである。

 大阪のローカルフードというから、よほど昔からある料理のように思われるが、元祖は難波のうどん屋「千とせ」で、1980年代に大阪の芸人(犯人は特定されている)が「肉うどんのうどん抜き」を注文したことかがきっかけだという。関東でもお好み焼きや串カツの店などでこれを出しているところがあるが、ブームになるような要素もないし、肉吸いマニアというのも聞いたことがない(いるのかもしれないが地味すぎる)ので、深く静かに潜行したままマイナーフードにとどまることが予想される(ほっといてんか!)。

 (KAGAMI & Co.)

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