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この辞典の使い方(ホーム)「さ」で始まる言葉>三尺下がって師の影を踏まずの意味

カテゴリー:ことわざ、故事成語、名言、名句

 

三尺下がって師の影を踏まず

​さんじゃくさがってしのかげをふまず

 三尺下がって師の影を踏まずとは、師に従って歩く場合は、三尺(1メートル弱)くらい間隔を置き、師の影を踏んではならない。つまり、それほど師は尊いものであり、敬う心が大切であると説く言葉。中国・唐時代の道宣による仏典『教誡律儀』中に「師に従って歩くときは談笑せず、師の影を踏まず、七尺(2メートル強)くらいは離れて歩きなさい」とあって、本来仏教の師匠と弟子の関係を言ったものだが、鎌倉時代に成立したといわれる日本の子ども向けの教科書『童子教(どうじきょう)』に取り入れられて一般的な師弟関係に用いられるようになり、日本ではよく知られた教えとなっている。現在「先生」はそれほど敬われている存在とは思えないが、この教えも当初は「七尺」だったのに、いまは「三尺」として通用しており、いつのまにその距離に縮まったのか経緯は詳しく調べていないものの、「七尺も下がらなくていいんじゃね」みたいな、「弟子」の方の心持ちの変化がうかがわれる。三尺、すなわち1メートルくらいの距離は、「師」に何か起こった場合すぐに寄り添えるリアルな師弟関係を表しているとも言えるが、「1メートルじゃ、ぜったい影は踏むよね」などと皮肉も言いたくなる身近さではある。(KAGAMI & Co.)

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