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この辞典の使い方(ホーム)「と」で始まる言葉>とっさの意味、語源

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咄嗟、とっさ

とっさ

 とっさ(咄嗟)とは、きわめて短い時間のこと。「とっさの出来事であわててしまった」「とっさの機転で窮地を切り抜けた」などのように、突然わが身にふりかかる瞬時の出来事を言う場合に用いることが多い。例えば、「とっさの英会話」は、道ばたで突然海外の人に道を尋ねられたようなときに使える英会話を意味するが、現実的には多くの場合、道ばたで突然海外の人に道を尋ねられて、覚えていたのに出て来ない英会話のことを指し示している。

「咄嗟」の「咄」は、もとは人を叱るときに発する声や舌打ちの音、ため息などを意味していたらしい。「嗟」もため息を意味し、「咄嗟」は本来、命令したりしかりつけたり、驚いたり、舌打ちしたり、ため息をついたりする音声(「こらっ」とか「えっ」とか「ちぇっ」とか「あ〜あ」とか、そんな音声だと思います)を表していた。語源は、サンスクリット語のディッㇰ(dhik)という舌打ちの音を表した語から来ているのではないかと言われ、そこから舌打ちするくらいの短い時間を言い表すようになったようである。同じくサンスクリット語発祥の「刹那(せつな)」などと比べると、ずいぶん人間くさい表現であり、仏教伝来とともに伝えられた語ではあろうが、「刹那」と違ってこちらのほうは、下っ端の僧侶が「ちぇっ、うるせえな、あの師匠」のようにスラング的なノリで伝えたのではないかと推察する(注:まったくの私見です)。(KAGAMI & Co.)

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