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棊子麵、きしめん

きしめん

 きしめん(棊子麺)とは、平打ちのうどんのことで、名古屋の名物とされる。しかし、ただ「平たいうどん」というだけのことなので(そりゃあ、製造にあたっては代々受け継がれた秘伝があるんでしょうけれども)、他のアクの強い名古屋名物と比べると(どんだけカツオブシをトッピングしたとしても)影が薄い。「棊子麺」の「棊子」は、碁石のこと。「棊」という漢字は「将棋」の「棋」の別体(つまり、木偏の「木」を下に持って来ただけの文字)で囲碁・将棋を意味する。

 棊子麺は、もとは中国から伝えられた碁石の形の点心を言ったようだが、いつしか平打ちの麺の呼び名となり、いつのまにか名古屋が自分のところの名物を主張するようになった模様で、その経緯は明らかでない。碁石の形の点心から平打ち麺への飛躍があまりに大胆だというので、「紀州麺」つまり紀州(和歌山と三重の一部)名産の麺ではないかとする説もあるが、名古屋人が「わしんとこの名産に決まっとるぎゃー」と主張するせいか、その真偽は明らかでない。(KAGAMI & Co.)

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