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元の木阿弥

もとのもくあみ

 元の木阿弥とは、一時期たいへんよい状態になったものが、もとの状態(悪い状態)にもどること。株で大儲けして羽振りのよい生活をしていた者が、暴落によりもとの貧乏生活にもどるといった、株や賭け事ですってばかりいる連中にとって、一時期でも夢の生活を送れたことがうらやましいような、大損して嘆いている姿を見て「よしよし」と胸をなでおろすような、そんな人生のありかたを映し出す言葉である。語源は明らかではないが、戦国時代の武将筒井順昭(つついじゅんしょう)が亡くなったとき、跡継ぎの順慶(じゅんけい)が成長するまで影武者を努めた木阿弥という盲人の故事がもとになっているとも、木阿弥という人物が木食(もくじき)の修行(穀物を断ち、果実のみを食す修行)により木食上人と呼ばれ尊ばれるが、年老いて行がおろそかになりもとの生活にもどったという逸話によるともいわれる。筒井某のお話しは、黒澤明監督が『影武者』で、武田信玄の影武者を務めた人物を主人公にして映画化しており(筒井某の話がもとになったかどうかは定かではありません…というか、そこまで詳しく調べていません)、語源説としてはだんぜん見栄えがいい(そういう問題でもないとは思うが)。(KAGAMI & Co.)

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