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自負

じふ

 自負とは、自分を誇らしく思うこと。「わが社には一流企業の自負があります」などと、スキャンダルでもみくちゃの企業や倒産寸前の会社が強がって言ってみたりする。「自慢」が誇りを周囲に喧伝することであるのに対して、「自負」は誇りを持つことでそれを表に出すかどうかは問わない。その意味で「自信」に近いが、「自信」は自分の能力や価値を信じることであり、「誇り」つまり「誇りたいという気持ち」を持つ「自負」より、さらに慎ましい気持ちの持ちようである。日本では「自慢」は嫌われるが、「自負」や「自信」を懐いて仕事などに当たる姿は好感を持たれる。さらに言えばその自負や自信が「にじみ出る」程度のありかたが頼りがいのある人物として賞賛される。

 自分に自信を持ち、誇りに思うことが、戦いに敗れるという意味の「負」で言い表されるのは不思議で、そのまま素直に読めば、部活の鬼コーチが「おまえらがダメなのは自分に負けているからだ」などとほざくのに使われそうな言葉である。「負」という漢字は「人」と「貝」からなり、人が財貨(=貝)を背負う姿を表している。そこからこの語の本来の意味は、背負う、自分のものとして引き受ける、頼りにする、あてにする、などで、「負担」「負荷」「抱負」などはその用例。「負」が「敗」の意味で使われるようになったのは、漢語で音が似ていたからではないかと言われるが、いつごろそういうことになったのかは定かではない。(KAGAMI & Co.)

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