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たらい

 盥(たらい)とは、洗濯、行水などに用いる円筒形の平たい容器。平らだから、訛って「たらい」になったのかとも思ったが、そんな安易な語源ではなく、もとは「手洗い(てあらい)」で、直径30~50㎝程度の木製、土器製、金属製などの洗面・手洗い用の容器を言ったものらしい。江戸時代になって大型の桶盥(おけだらい)が盛んに作られるようになり、洗濯、行水、魚屋が魚を入れる盤台(ばんだい、または、はんだい)などに使用された。明治時代に入って、手洗い用の容器は「洗面器」と呼ぶようになり、「手洗い」にはあまり使わない大型の盥のみが「たらい」の名称のまま残ったようである。家風呂が発達していない頃は、夏場の行水といえば、たらいの登場で、庭先で水浴びする奥方の姿がのぞきの絶好の対象となったようである。(KAGAMI & Co.)

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