バケーションとは、休暇、特に仕事や学校の長期休暇をいう。英語からの外来語だが、フランス語から来たバカンスも同じ意味。日本語化したバケーションは、休暇という意味に加えて、長期休暇を利用してリゾート地などで過ごすことというイメージでとらえられる。長期休暇を利用して家でゲーム三昧でもバケーションには違いないが、それではバケーション感が薄れる。英語やフランス語でも、やはりリゾート地でのんびり過ごすことを前提とした休暇がバケーションまたはバカンスではないかと思われる。

　バケーションもバカンスも、ラテン語で空っぽを意味するvacare（＝英語vacant）から来ており、（仕事のない）空っぽの時間というような意味あいかと思われる。日本語では「暇（ひま）」が空き時間といった意味あいの言葉なので、バケーションはいわば「長～い、ヒマ」である。そんな「長～い、ヒマ」に日本人は耐えられない。したがって休暇の旅行も、スケジュールのみっちり詰まった小旅行が主であり、バケーションもバカンスも、憧れの対象ではあれ（憧れではあるが、いざ本格的なバケーションに臨むということになったら、ヒマを持て余して、オプションツアーなどに手を出す）なじんだ言葉、なじんだライフスタイルではないものと感じられる。

　昔、『ロングバケーション』というテレビドラマがあったが、バケーションはもともと長期休暇の意味あいが強いので、「ロング」というからには、このバケーションは10年ほども続いたのだろうか？（KAGAMI & Co.）