プロパガンダとは、政治的な宣伝活動をいう。ナチスや共産主義のプロパガンダがよく知られ、政治的扇動（アジテーション）に近い意味あいで用いられることが多いが、政治学的には、例えばロビー活動などを含む政治の広報、宣伝活動一般をいう。それでもまあ、経済活動における広報や宣伝活動が、（消費者がだまくらかされてか、納得してかはともかく）その企業の製品やサービスを買えばそれで終わるのに対して、政治活動の場合、国民の政治行動をうながしその国の動静を左右することになるので、「プロパガンダ」という語がなんだかおどろおどろしいニュアンスで語られるようになるのも無理はない。

　プロパガンダの語源はイタリア語で、18世紀にカトリックの海外伝導のために設けられた組織のことをいい、英語のpropagation（伝導、繁殖）などの原語となったラテン語から来ている。この言葉が政治的宣伝という意味で用いられるようになったについては、ナチスや共産国家のえげつない活動がどうしても想起されるが、どうやら第二次世界大戦前のイギリスで、反ナチスの啓蒙活動のために用いられた宣伝や広告について「プロパガンダ」の名称が使われていたのだという。そのやり方がなまやさしかったせいか、その後「プロパガンダ」は、強烈なファシストや共産主義にすっかりお株を奪われ、イギリス人らしいしんねりむっつりした陰湿なやり方（だったかどうかは知らないが）は忘れられたようである。（KAGAMI & Co.）