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うとうと
うとうと
うとうととは、浅い眠りを表す擬態語。特に、退屈な授業とか、退屈な会議とか、退屈な説明会とか、退屈な舞台鑑賞とか、就寝の体勢にない状況で眠気に襲われた様子を表すのに使われる。つまり「居眠り」である。ほぼ同じ状況での浅い眠り、居眠りを表現する「こっくりこっくり」は、眠りに落ちたときに首が倒れ倒れては立て直すことを繰り返している様子を表したもので、一方の「うとうと」はそのときの本人の精神状態を表現しているといえる。
「うとうと」の「うと」や、類語である「うつらうつら」の「うつ」は、「夢うつつ」の「うつ」から来ているのではないかと考えられている。「うつつ」は本来「現実」という意味だが、「夢」と「現実」という対比で、「夢うつつ」「夢かうつつか」のように、夢を見たり夢から覚めたりする状態をくり返すありさまを表現するのに多用されたため、「うつつ」そのものも、夢とも現実ともわからない精神状態を表す語へと変化したと考えられている。と、このように「うつ」または「うと」は、退屈な授業とか、退屈な会議とか、退屈な説明会とか、退屈な舞台鑑賞とかの出席者や観客の浅い眠りを表すのにぴったりの語素だといえる。
ただ、私見だが「うと」の「と」には、「おっと、どっこい」「あっと、驚く」「ええと…」のように、衝動的に出た言葉「おっ」「あっ」「ええ」などをいったん客観的に回収して、次の冷静な表現を導く「と」の機能同様、「うつ」と眠りに落ちた自分を、これはいけないと「と」でいったん目覚めさせる様子が表されているのではないかとも感じる。つまり「うと」は「うつと」または「うっと」の略だと考えるわけだが、まあ、どっちでもいいことなので無視してもらってかまわない。
(VP KAGAMI)
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