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かつ丼、カツ丼

かつどん

 かつ丼、カツ丼とは、トンカツを丼めしの上に乗せた料理。通常は、トンカツをたまねぎなどとともに少量の和風スープで軽く煮たうえに卵で閉じ、ご飯の上に乗せたものをかつ丼と呼ぶ。つまり、西洋のポークカツレツに改良を重ね和風料理としてしまったトンカツを、それでも飽きたらず、ご飯に乗せて食べるというコンセプトのもと、さらに日本化を追求した料理であるといえる。多量の油で揚げたトンカツのせっかくのクリスピーな口当たりを、煮ることでだいなしにしているわけだが、フランス人がパンをカフェオレに付けてぐずぐずにして食べるのと似たおもむきがあり、それはそれでうまいから人気があるのだと思われ、高カロリーのエネルギー源として学生やサラリーマンの強い味方となっている。

 なおかつ丼は日本において、取り調べ中の容疑者に与えられる出前料理や受験生が希望校に合格するために食べる縁起のよい料理として知られている。前者がなぜかつ丼が定番になったかは知らないが(『チコちゃん』でやってたような気もするが、忘れた)、後者は勝負ごとに「勝つ」とカツ丼の「カツ」をかけたげん担ぎである。主にカツ丼が採用され、同種のトンカツ定食があまり注目されないのは、いきなり「勝つ」が頭に置かれるカツ丼と、余計な「トン」が入っているだけの違いかと思われる。では「カツサンド」や「カツカレー」はだめか、というような穿鑿はやめていただきたい。カツ丼でもトンカツ定食でもカツカレーでも、なんでも試験には合格できるから、自由に食べてください(と、無責任なことを言う)。

©校長のかがみ

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