こじつける

　こじつけるとは、無理に理屈をつける、つじつまを合わせるという意味。科学捜査が発達していない時代には、日頃から仲が悪かったというようなこじつけで容疑者を逮捕し、無理やり自白させて有罪にするというやり方がまかり通っていた。そんなこじつけの手法でも、遺体を埋めた場所などを自白すればもっともらしさが増し、実際に大半は当たっていたが（いっぽう、ドラマに見られる江戸時代では大半がはずれている）、ときどき大失策をやらかし、犯人に仕立て上げられた人の人生を奪うことになる。

「こじつける」はおそらく「こじる」に「付ける」からなる。「こじる」は、ものの透き間に道具を差し込んで無理やりねじるようにする行為で、そうやって扉を開けば「こじあける」、そのようにして差し込んだ道具をより深くまで入れれば「こじ入れる」になる。「付ける」は「結着をつける」のように、ものとものをくっつかせる、ものごとの折り合いをつけるなどの意味で、「こじつける」は無理におりあいをつけるという意味合いになる。こういう素直な解釈に反して、『大言海』は「故実＋付ける」が語源だと、むりくりなこじつけを披露している。

　（VP KAGAMI）