こちとらとは、俗語的な自称。複数を表す「等（ら）」がついているが、単数にも複数にも使われる。江戸っ子のお兄いさんが使いがちなあらっぽい響きの言葉で、「オレ」「オレら」などと近い。

「こちとら」は一見「こち」と「とら」の組み合わせで、江戸っ子が「オレ様は虎だぞ」と強がっているように感じられるが、実際は「こちと」と「ら（等）」の組み合わせが正解。「こちと」は「此方人（こちひと）」が変化した語、つまり「こちらの人」であり、江戸時代には「こちと」だけでも「こちとら」と同様の使い方をされたようだ。

​（VP KAGAMI）