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関連用語
しくしく
しくしく
しくしくとは、弱々しく泣くありさま、また、腹などがたえず鈍く痛むさまを言う擬態語。泣く様子の表現の場合、「弱々しい」というのがミソで、「女の子がしくしく泣いている」のように、子どもや女性(弱々しくみせかけている女性)が泣いている姿にはぴったりの表現だが、「おっさんがしくしく泣いている」と言われても、同情したくもなければ、近寄りさえしたくない。
泣く様子と腹の鈍痛は、あまり共通点がなさそうだが、この言葉のポイントはその状態がひとしきり続くというところ。いまは使われなくなった古語に「頻頻(しくしく)」「及く及く」というのがあり、ものごとが何度も続く意の「頻りに(しきりに)」と同源であるように、何度もくりかえし行われる様を表す。使用例は古く、『万葉集』では、何度も打ち寄せる波のように別れた人々をいつまでも思い続ける男の心情や、シキミの花の名前のように(これは単なるダジャレ。失礼、掛詞)長年相手に恋い焦がれ続ける男の心情(あー、しつこそう)などが詠まれている。このように、切ない気持ちがいつまでも続くという「頻頻」が、現在の使われ方に引き継がれていると見てもよいかもしれない。しかしここでよくわかるのは、万葉の時代にはおっさんもさかんに「しくしく」やっていたということ。いま考えると、かなり気持ち悪い時代ではあった。(VP KAGAMI)
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