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虱潰し、しらみつぶし

しらみつぶし

 虱潰し(しらみつぶし)とは、ものごとを端からすべて処理すること。家宅捜索で目的のものを探しだすあてがないとき、指導者は「しらみつぶしに調べろ」と命令し、部下はブーたれながらそれに従う。つまり、よほど重大な仕事に対するひどく効率の悪いアプローチの仕方(効率が悪いので、重大な仕事でなければやる気にならない)。

 シラミ(虱)は、シラミ目の昆虫で哺乳類に寄生し吸血する。寄生されると激しいかゆみを生じるので、ノミとともに人体からの完全駆除が要求される。そこでこういう言葉が生まれたと考えられるが、同類のノミに「のみつぶし」という言い方がないのはなぜだろうか。人間の髪の毛に寄生するアタマジラミは、増殖すると大きいフケのようにまだらに目立って見えるので、端からつぶすのにつぶしがいがある(ビニル包装のプチプチみたいに)といった感覚的な理由あたりが意外に正答かもしれない。

 シラミもノミも古代の文献にも堂々と登場するポピュラーな虫だが、「しらみつぶし」という慣用語は近代以降使われるようになった言葉のようだ。昔の人は、しらみつぶしにシラミをつぶして退治することをあきらめていたのかもしれない。(VP KAGAMI)

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