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ずるい

ずるい

 ずるいとは、悪賢い、狡猾であるという意味。しかし、「ズル休み」という行為に表れているように、なまけたり、自分の利益や楽しみのために、見えすいたウソをついてごまかす…というほど、程度の低い悪賢さを表しているといえる。というわけで、「ズルい女」と呼ばれる相手にも男がのめりこむのは、正味悪党というわけではなく、かわいげのある悪賢さを発揮しているからだろう(とはいえ、SNSで男の金を巻き上げるような、正真正銘のズルい女もいるから注意は必要だが)。「ずるい」は、江戸時代から現れた言葉のようで、当初は、しまりがない、だらしない、ふしだらであるという意味でも使われていたことから、だらしなく着物の裾を引きずるような「ずるずる」という擬音、擬態語との関連が指摘される。しかし、この「ずるずる」もほぼ同時期に現れた語なので、どちらが語源とも言い難く、それより、地面を擦るようにして動かす「引きずる(引きづるとも)」、駆けずり回るという意味の「駆けずる(または、駆けづる)」の、「ずる」が独立して、けじめなく時間を引き延ばす「ずるずる」や、だらしない意の「ずるい」が発生し、なまけるためにウソをついたり、自分の利益のために見え見えの立ち回りをする「ずるい」につながったと見るのがよさそうだ。

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