そそくさとは、急いでことを済まそうとするさま。「彼はそそくさと用事ををすませて帰った」のように使う。この使用例は「彼はさっさと用事をすませて帰った」と言っても通じるが、「そそくさ」の場合、急いでことをすませようとしている彼の態度に批判的な視線がそそがれているのがわかる。つまり、この彼は「こんな仕事オレに押し付けやがって…、ああ、早く帰りたい」という不満たらたらな態度で用事をかたづけている姿が「そそくさ」によって目に浮かぶのである。

　せわしなく行動するという意味の古語「噪く（そそく）」の「そそ」に、接尾語「くさ」がついたもの。この「くさ」は「どさくさ」や「ぶつくさ」のように、もとの言葉を不愉快に強調するはたらきがあるものと考えられる。語源はよくわからないが、たぶん「臭い」と関係あるのではないかと思われる（近年の「草生える（＝笑い）」とは無関係です）。（VP KAGAMI）