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どっちもどっち

どっちもどっち

 どっちもどっちとは、双方が同程度であること、同程度に悪いこと。「ケンカで最初に手を出した方も、それをあおった方も、どっちもどっちだ」のように、喧嘩両成敗を言いたいときに使われることが多い。暴力行為において、最初に手を出した方に罪があるというのは法的な認識だが、「手を出させた方」の性格や行動に問題がある場合、手を出した方に同情が集まるのは世界的に共通している。その典型が『忠臣蔵』すなわち「赤穂事件」で、加害者への同情をあおるウソ話がふくらんで、被害者バッシングを正当化する。特に『忠臣蔵』では、加害者が切腹の処罰を受けたのに被害者がなんのお咎めなしという結果だったから(冷静にこの文章をみると、当たり前すぎてなんも言えねえが…)、加害者への憎しみは倍増した。しかし、講談や芝居で示される虚実まじえた話がすべて真実だとしたら、加害者への同情は市民感情として理解でき、そのような人情の弱みにつけこんで、侵略者が侵略された側の「問題」を虚実交えて誇大に宣伝するのもまた、世界的に共通した真実。

「どっち」は、「あなたの出身地はどちら?」「どちら様?」のように使われる不定称の指示代名詞「どちら」のくだけた言い方。「どっちもどっち」は、AとBという二者がいて、どちらが善人でどちらかが悪人かを決めなければならない場合、Aは善人でもあり悪人でもあり、Bも善人でもあり悪人でもあると言っていると考えられる。要するに、判断を投げ出した、いい加減な裁定を示したもので、「どちらもどちら」というちゃんとした言い方がほとんどなされないように、多分にわれわれ無責任な庶民の「どっちでもいいでしょ」的な感覚を背負った表現といえるだろう。

(VP KAGAMI)

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