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この日本語辞典の使い方(ホーム)「は」で始まる言葉>のどから手が出るの意味

カテゴリー:慣用句

カテゴリー:食文化、料理、食品、食材

のどから手が出る、喉から手が出る

のどからてがでる

 のど(喉)から手が出るとは、我慢できないほど欲しいという気持ちが強いさまをいう。「あの宝石、喉から手が出るほど欲しい」のように使い、入手できそうだが、購入資金が1億円ほど足りないとか(手持ちが100万円しかないくせに)、資金はあるが博物館の展示品なので買えないとか(見栄をはっているが、ほんとうは資金さえない)で、現状では難しいという状況で使われることが多い。

「喉」は「喉が鳴る」「のど越しがいい」などのように、食に関する慣用表現を多く作り、ここでは「食欲」を表す。「手」は「手に入れる」「手にする」のように自分の所有物とするという動きを表している。「喉から手が出る」は必ずしも食物を手に入れることを表していないが、人間の欲求として食欲がいちばんわかりやすいし、「手」を出す部位として「喉」がイメージしやすいところからこの表現が生まれたのだと考えられる。例えば、食欲のかわりに物欲で表現しようとしても、どこから手を出していいのかわからないし、性欲ではちょっとややこしいことになりそうだ。

「喉から手が出る」はデビュー当時のウッチャンナンチャンのショートコントのネタとして知られている。これは、喉から手が出るさまをそのまま舞台で見せる(マジシャンではないのでほんとうに手を出しているわけではないが…ってまあ、マジシャンもほんとうに手を出しているわけではないが)もので、そのイメージは映画『エイリアン』を連想させる。エイリアンでは、喉から出ているのは口あるいは歯であり、つまり「喉から歯(口)が出る」という言い方になる。この場合、正味食欲を表している(実際は噛みつくだけかもしれず、人を食っているかどうかはよくわからない)ので、「喉から手が出る」のような使い回しはできそうもない。

​(VP KAGAMI)

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