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ひけらかす

ひけらかす

 ひけらかすとは、自慢して見せつけるという意味。「見せびらかす」とほぼ同意で、「あいつは才能をひけらかしている」のように使う。「見せつける」と「ひけらかす」も似た意味だが、冒頭で説明したように、「ひけらかす」は「自慢して」見せつけるという意味合いが強い。将棋の真剣勝負で余裕で勝った場合は「才能を見せつけている」と言い、初心者を鼻で笑いながら二分で結着をつける上級者は「才能をひけらかしている」と言う。その違いは、「見せつけた」人物は十分な対価(「見せつける」ほど実力があるので、ギャラもがっつりもらっているはずだ)を得られるのに対して、「ひけらかした」ヤツは自己満足を得るにとどまるということ。

「ひけらかす」は、自分の魅力で相手を惹きつける意味の「引く」が他動詞化した語ではないかという説があるが、「ひけらかす」がもとの言葉を他動詞化した語であるなら、そのもとの言葉は「ひける」になる。「ひける」が「引ける」だとすると、これは気後れするとか、仕事が終わるなどの意味なので、「ひけらかす」とは意味合いが異なってくる。『大言海』などは、「光らせる」が「光らす」「光らかす(ひからかす)」と俗語的に変化した言葉が転訛して「ひけらかす」になったのではないかと考えている。「ひからかす」という言葉も実際にあり、「頭をひからかす」(つまり、きれいにハゲちらかしてる)という通常の意味のほか、威光を見せつけるといった意味合いでもわずかに使用例がある。というわけで、「ひけらかす」は「ひからかす(光らかす)」(確かに言いにくい)が転訛した言葉だと考えてよろしいのではないでしょうか。(VP KAGAMI)

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