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一悶着、ひと悶着

ひともんちゃく

 一悶着(ひと悶着)とは、ちょっとしたもめごと、騒動。「与野党が対立して、ひと悶着ありそうだ(騒動があったとしても、せいぜい牛歩戦術で野党が抵抗する程度の…と言いたいわけだ)」のように使う。「ひと」は「一つの」の意味だが、ここでは「ひと工夫」「ひと休み」のように、ちょっと、少しの意味。「悶着」はもめごと、心がもだえ惑うことをいうが、最近は「悶着」だけで使用することはほどんどなく、「一悶着」という慣用表現で主に使われる(この言葉自体もそれほど使用頻度は高くない)。「悶着」という漢語はなさそうなので、和製漢語かもしれない。「悶」は、門構え、つまり家の中に心が閉じ籠もっている状態と絵解き(字解き?)でき、「悶絶」のようにもだえること、「悶々とする」のように気分がふさぎ込むことを意味する。現代中国語では、閉じ籠もること、空気が流通せずよどんでいることを意味するらしい。「悶着」の「悶」は、その心の中のもやもやが外部に及んで、対人関係がもやもやしている状態を表しているが、この解釈は日本人の後付けと考えられる。「着」は「執着」「愛着」のように、心が離れなくなること、また「結着」「到着」のようにものごとがある状態に納まることを意味する。したがって「悶着」を解釈すれば、「心が晴れないまんま」さらに「対人関係が悪い状態に陥る」ということになるだろう。

​(VP KAGAMI)

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