みっともない

　みっともないとは、体裁が悪い、恥ずかしいという意味。「ボロ負けしたくせに、不当なジャッジだと大騒ぎするのはみっともない」のように、潔くない姿をさらすことに対する自戒や非難をこめて使われる。日本人は「みっともない姿」を極端に嫌うので、試合に負けてどんなに悔しくても、バカみたいにわめいたりせず、ぐっと歯を食いしばってこらえ、相手を讃えたりするのが常識とされている。それどころか、そういう人を「人の目を気にして自分にすなおでないのはみっともない」と非難する日本人までいる始末である。

「みっともない」も原形は「見たくもない」、それが「みとうもない」「みともない」「みっともない」と変化したのだとされている。「そんな無様な姿は見たくもない」というような言い方はいまでも使われる。この「見たくもない」が変化した「みっともない」は、口語的、俗語的な表現になっているため、「見たくもない」の厳しさが薄れ、「テレビのスイッチを消すけれど、別にどうでもいい」程度の軽さが漂う言い方となっている。

​（VP KAGAMI）