もじもじとは、消極的になって落ち着きのない態度をいう。「もじもじしてなかなか言い出せない」のように使うが、この場合、言い出せないのは誰かの不幸を告げるといった深刻な内容ではなく、「つきあってください」とか「うなぎの特上をおごって」とか「3割引きだから買っちゃおうかな」といった明るい内容であることが多く、消極的になっているのは、恥ずかしい、遠慮している、決断がつかないなどの理由からである。この点、類似の「いじいじ」や「うじうじ」など、相手を不愉快にさせる態度との違いがあり、好きな人の前でかわいらしさを演出したいなら、「いじいじ」や「うじうじ」ではなく、「もじもじ」をお勧めする（どういう態度が「もじもじ」に当たるのかは各自考えておくように）。

「いじいじ」や「うじうじ」は、怖がるという意味の「怖（お）じる）から来ていると考えられるが、「もじもじ」については、説明している文献が見当たらない。おそらく、ねじるという意味の「捩る（もじる）」という語があり、体をねじねじしてとまどっている様子から来ているものと筆者は考える。「ねじる」から来たなら「ねじねじ」でもよさそうだが、それだと中尾彬氏の首巻きと間違えるのでやはり「もじもじ」がよい。

​（VP KAGAMI）