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もやもや、モヤモヤ

もやもや

 もやもやとは、靄(もや)が立ちこめたように周囲がはっきり見通せない状態を言い表す擬態表現。そこから、事態や先行きが見通せず不安だったり、悩みやわだかまりがあってすっきりしなかったり、雑念や性的衝動にとらわれて正常な思考ができなかったりする精神状態を表現して、「気分がもやもやして受験勉強がはかどりません」などと、サボりのヘタな言いわけをするのに用いたりする。街歩きのTV番組『もやもやさまぁ~ず2』は、普通の街歩き番組では紹介しない(つまりほとんど名が知られず、もやで隠れているような)スポットを尋ねて笑いを取るというコンセプトで、そこそこの(つまり、もやもやした)視聴率を獲得している。

 「もやもや」は、気象用語の「靄(もや)」から来ているように感じられるが、むしろ靄のほうが「もやもや」から来ているらしい。空気中に小さい水滴などが浮遊し、遠方がかすんで見える状態を言い、事象的には霧(きり)と同じだが、霧より見通しがよいものをいう。周囲がほとんど見えなくなる濃密な霧とは違い、少しはあたりが見えるがかすんでいるところが、「もやもや」な気分にふさわしいといえる。

「もやもや」は江戸時代には、「もめごと」や「いざこざ」という意味でも用いられていたらしく、現在とはニュアンスが違う。また、毛や草が群がり生い茂るありさまをも言っていたというので、水草や海藻などの「藻」と関係ある語源なのではないかと個人的には思う。海藻がもつれあうさまから、精神が乱れもつれる状態を言い、さらに、事態が乱れもつれる「もめごと」を表すようになったかと思われる。

 一方、気象の「靄(もや)」としての使い方も江戸初期にはあったようなので、それはそれで「すっきりしない気分」として、現在の『もやもやさまぁ~ず2』にまでつながったと考えられる。

 (KAGAMI & Co.)

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