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ガラガラ、がらがら

がらがら

 ガラガラ(がらがら)とは、固いモノがぶつかりあう音、建物などが崩れ落ちる音、引戸を開ける音、うがいの音、しわがれ声などに使われる擬音語。か行やが行の音は軟口蓋破裂音で、口腔の奥、のどの近くで発せられる音であり、「かんかん」「がんがん」「ごんごん」「コツコツ」など、固いもののぶつかりあいの表現によく使われる。「ラ」音を付けて言葉を重ねることで、その固いモノのぶつかりあいが連続しておこなわれることが示される。うがいの音やしわがれ声は、のどのところで水や空気が摩擦されて発する音であり、そのままの音写。

 ところがこの「ガラガラ」は、一方で、店や劇場に人がいない様子、痩せ細った肉体を表す擬態語としても使われる。この場合の「ガラ」は、音写ではなく、部屋に人がいない様子は伽藍堂(がらんどう)から、痩せた様子はトリの「ガラ」や抜け殻の語源「殻(から)」から来ているのではないかと考えられる。伽藍堂(がらんどう)はものがない広い空間を意味するが、もとは仏教寺院の建物の総称「伽藍堂宇(がらんどうう)」のこと。それがからっぽの空間を意味するようになったについては、日本語の「から(空、殻)」の影響が見られるので、結局擬態語としての売れない芸人の観客席の「ガラガラ」や鶏ガラみたいな「ガラガラ」は「から(空、殻)」から来ているとみるのが適当であろう。(VP KAGAMI)

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