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パブリシティ

ぱぶりしてぃ

 パブリシティ(publicity)とは、政府や団体、企業などの情報発信活動の一種であり、日本語では「広報」「広報活動」などと訳される。企業において、広告(アドバタイジング)と広報(パブリシティ)は、どちらも消費者に情報を発信する活動であるが、広告は、企業がメディアから一定の時間やスペースを買い取ってそこで好きなことを言うもの(もちろん公序良俗に反する発言はできないが)であるのに対して、パブリシティは、企業がしつこいくらいメディアに情報を発信しつづけ、取材力がなくてろくな記事が集められないメディアが、「まあいいや、これでいっとくか」みたいなノリで番組や誌面で扱うのを待つという手法である。企業がメディアの一部を買収して勝手なことを言い、ときにはスポンサーであるのをいいことに番組や誌面にまでいちゃもんをつける広告に対して、パブリシティは、メディアが客観的な立場で取材して取りあげるといった体裁をとるので、広告より消費者に浸透しやすく信頼度も高いとされる(メディアは、独自に取材せず企業が発信する情報をそのままのせたりすることも多いので、決して客観的でもなく、信頼性が高いとはいえないが)。

 日本で「パブリシティ」は「パブ」などと略されることがある。もちろんイギリスの酒場のことではないが、メディアがパブで一杯飲みながら自分で考えずに、企業の作文をそのまま記事にしたような内容であることは確かである(記者クラブとかいうところの記者から発せられる記事も似たようなもんか…)。

 英語のpublicityは、ラテン語のpulicus(公共の)から来ている。そこから、なにかを公に知らせることという意味でフランス語、英語に取り入れられ、1900年頃には「広告」という意味で使用されるようになった。「公に知らせること」という点ではまさに「広告」のそれだが、「公」には「共同体にとって有益な」という意味合いが強く含まれるので、現在、企業が必死で商品を売り込もうとする一般の広告にはadvertisement(advertiseは注意を喚起するという意味)が用いられ、publicityは冒頭のような「儲け主義でお知らせしていない公正な情報です」というタテマエで発せられる発信をいうようになっている。

​(VP KAGAMI)

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