パワハラとは、power harassmentという日本で作られた英語の略で、権力によるいやがらせ、いじめ行為を意味する。会社で上司が部下に「この書類を本日中に三部コピーしていただけませんか？」と依頼するとき、上司のその態度が権力づくで横柄で部下にものを頼む配慮に欠け、仕事の内容はバイト歴三年の私にさせるようなものではなく、締め切りの設定が私の能力をはるかに超えており、失敗した場合に恐ろしい罰が待っているような雰囲気をちらつかせていると感じたとき、部下である私が上司を糾弾する手段として利用できる重宝な言葉である（この言説は本物のパワハラを否定するものではありません）。

　日本人は他者と接するとき、自分をまず下位に置き相手を敬うという珍しい民族だが、他者を支配したい、パワハラしたいという個人の潜在的欲望がないわけではなく、それが許される環境に入ると、その欲望を存分に発揮することがある。その極端なケースが戦前の軍隊（主にその小部隊）であり、学校の体育会系の部活などにはその残滓が見られる。

​（VP KAGAMI）