top of page
関連用語
一揆
いっき
一揆とは、目的を一にした集団を作ること、また、その集団。江戸時代に起こった領主に対する農民の蜂起である「百姓一揆」が有名だが、地方武士による国人(こくじん)一揆や名主(みょうしゅ)を中心とした農民の土(ど)一揆などは、南北朝時代以降盛んに発生した。目的を一にした集団といえば、共産主義革命などは世界規模な一揆であり、「人民一揆」といえないことはない。しかし「一揆」の理想に反して、人民の一部が特権階級化するという古代からの構造を根強く受け継いだ結果、その後の残念な展開がある。
一揆の「揆」は、計画する、画策する、はかりごとなどの意味。「一揆」は漢籍では「一致」と似た意味で使用されていて、「目的や結果が一致する」という文脈で使用されている。日本でも「前聖後聖一揆にして有難かりし賢佐なり(昔の聖人も現在の聖人も同じく世にも稀な忠臣である)」(『太平記』14世紀)という使い方をされる一方、「兵粮闕乏間、軍士等不一揆、各恋本国(兵糧が欠乏すれば、兵士はこころざしがひとつでなくなり、みな本国を恋しがる)」(『吾妻鏡』12世紀)のように、心や目的をひとつにするという意味でも使われ、それが土一揆や農民一揆という使われ方につながっているといえる。中国でも現在は、本来の意味の「一揆」という言葉はほとんど使われていないようで、ネットで「一揆」を調べると、日本における歴史上の武装蜂起のことだと解説されている。
(VP KAGAMI)
bottom of page