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三日天下
みっかてんか
三日天下とは、権力の座や最優秀の地位に着いている期間があまりにも短いことをいう。スポーツニュースで「リーグ戦における某チームの首位も三日天下に終わった」などと使われる。この場合、「某チーム」の首位が一日で終わっても数日くらい続いたとしても、そこは正確に言う必要はなく「三日」でよい。へたをすると、政界では半年ほど政権が続いた場合でも「三日天下」と言われることがある。つまり、絶頂期が短時間で終わってしまった「がっかり感」が(逆の「ざまあみろ感」も)人々に共有されればそれでよいのである。
「三日」は「三日見ぬ間の桜」「三日坊主」のように、良い出来事や良い行いの続く時間が短いことを言い表すのに用いられる日数。「天下」は空の下に広がる世界全体ということだが、ここでは国家、国家の支配権、国家の支配権を握っている状態などを意味する。
「三日天下」で必ず引き合いに出されるのは、主君の織田信長を討って天下を取った(そのときの状況を「天下を取った」と言っていいのかどうかは疑問だが)明智光秀である。光秀の場合は、羽柴秀吉(豊臣秀吉)に滅ぼされるまで十日ほどねばったが、それでも世間では「明智光秀の三日天下」とキャッチフレーズ化され、主君を裏切ったヤツの絶頂期は短く、末路は悲惨だという教訓として持ち出される。
三日天下には、鎌倉幕府成立直後の1204年、伊勢平氏の反乱が三日で鎮圧された前例があり、「三日平氏」と呼ばれる。「天下」を取ったわけではないので「平氏」と遠慮がちにおさまっているものの、「三日」の方はホンモノである。「三日天下」という言葉には、中国にも前例がないようなので(あったら教えてください)、「三日平氏」が元祖だと言ってもさしつかえなさそうだ。
(KAGAMI & Co.)
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